狩猟

【初狩猟】新米ハンター巻き狩りへ

2021年11月18日

はなまる

本来は完全インドア派の筆者が地元山梨で趣味のアウトドアを楽しみながらジビエ料理店の開店を目指しています。カメ五郎氏に影響を受け2020年に銃とわなの狩猟免許を取得した新人ハンター。サイト名にもなっている「はなまる」はレミントン社のショットガンであるM870をもじったもの

お久しぶりです。はなまるです

いよいよ今年度の猟期が始まりました!

山梨県は11/15~3/15までが猟期となっています

筆者は昨年に狩猟免許を取得していたのですが

諸事情により狩猟登録をしませんでした。

なので今回が初狩猟になります

生暖かい目で見守ってくださいませ。

巻き狩りとは?

猟犬の写真

一般的に猟犬を使い山の中にいるイノシシやシカを追い出して

獣道のそばで待ち構えた射手(タツマ)のほうへ逃げてきた獲物を仕留めます。

猟犬ではなく勢子(せこ)と呼ばれる役割の人が山を歩いて獣を追い出すこともあります。

効率は圧倒的に猟犬を用いたほうがいいですが

猟犬は子犬のころから山に慣らし、獲物の匂いを覚えさしたり鉄砲の音に慣らす必要があります

もともとの犬の素質もありますし、イノシシに反撃されて命を落とす犬もいます

猟隊と呼ばれる20人程度のグループで餌代などを出し合っています。

猟犬の世界はものすごく奥が深いです。

巻き狩り猟の成果はほとんど犬にかかっているようなものなんですよ。

準備していざ出猟

韮崎の山

どの辺まで行くんだろうか

猟隊の先輩に先導してもらい韮崎まで向かいます。

この日は月曜日だったのでがっつり通勤渋滞に巻き込まれました。

先輩は筆者を気遣って裏道を使わなかったらしいのですが

前の職場が韮崎だった筆者はわりと道に明るかったりして…

林道を進む

林道の写真

詳しくは書きませんがそんなに山奥ではありません

山と人里の中間地点とでもいいましょうか

国道から銃声は聞こえるでしょうね。

すこし話が脱線しますがお付き合いください。

冬になるとエサがなくなって人里に獣が下りてくるようになります

その獣たちは畑の作物を食べたりします。

農家さんたちにとっては死活問題ですよね。

そこで猟師が巻き狩りをして「猟圧」をかけることによって

人間の世界は危ないと獣に分からせることになります。

人間目線の勝手な言い分ですが生きていくためにはこれも必要なこと。

…長くなるのでこのくらいで

猟隊に合流

あいさつを済ませ談笑しながら勢子の到着を待ちます。

おそらく平均年齢70近いはず。

勢子の人たちが前日または当日の早朝に「見切り」と呼ばれる獣の痕跡を探してくれています

その足跡から獣の位置を推測し、猟の作戦を立てます。

経験と獣の知識、山への理解が必要な大変なスキルです

猟場の写真

獣道と呼ばれる通り道で痕跡を探す

勢子の人が帰って来ましたが

あまり思わしくない様子。

ここで筆者は置いてきぼりになることに。

先輩1「パラシュートのウツにアシがある」

先輩2「黒木に1人立たせるか」

こんな感じで打ち合わせがどんどん進行していきます

スパイの会話かっ!全然理解できない筆者

一年ぶりの猟にテンションが高い先輩たち。

そしていつの間にか1人の先輩猟師の持ち場の近くに行くことになった筆者

持ち場へ

持ち場の写真

持ち場からの景色

持ち場まで歩くことになるのですが

登山道とは違ってマジで歩きづらいです。

倒木や枯れ葉が歩くのを邪魔しますし

鉄砲が邪魔で重い。

前を歩く先輩に置いて行かれないように歩くのが精一杯

歩行技術もあると思いますが筆者の体力のなさも異常。

汗だくで持ち場に到着

先輩はもう少し上で待機します

勢子が犬を放すまで時間があるので鉄砲を準備します。

地面に置かれた鉄砲

ギリギリまで弾は装填してはいけませんので銃を構えてイメトレします

スイングの角度や危険な方向はいまのうちに頭に入れます。

心臓が早鐘のように脈打っているのを感じます

足場を確保しながらじっと待機します

弾を手にしている写真

弾も指に挟んで準備しておく

犬を放した後に銃声が

息を殺して無線を聞いていること10分ほど。

「なんかでたよ~」となんとも気の抜ける報告が。

少しすると銃声が聞こえました

若干ここにいるのを後悔し始める筆者

銃声がした方角

銃声が聞こえた方角

「止めたよ~」とこれまた緩い感じ

シカだったそうですが谷に落ちてしまい回収はできないとのこと。

なんとも淡白な会話

その後はカモシカに犬が反応してしまったり(カモシカは捕ってはいけない)

結局筆者の持ち場には獲物は現れずお昼休憩へ

コンビニのおにぎりを貪ります。

気分が高揚していて味なんかわかりませんでしたよ。

午後の猟

勢子の先輩曰く午後の場所が本命らしい。

車と徒歩で持ち場へ

獣道の写真

分かりづらくてすいません

あまり歩き回ると撃たれます(マジで)

獲物が来るとすればこの道だと先輩に教わります

猛スピードで下っている獲物に向かって且つ、木の隙間に弾を通さなきゃなりません。

これなんてクソゲー?筆者のウデで当たる気がしない。

その後もドキドキして気配を殺しますがここにも獲物は来ず。

集中してじっとしていると落ち葉の落ちる音が足音に聞こえたりします。

非日常感がとても楽しい

場所を変えて最後のラウンド

猟場の写真

写真がブレていますがこれには訳があります。

持ち場に到着してすぐに

犬を放したと無線があったと思ったら

背後から黒く大きな体の雄ジカがすごい勢いで下ってきました。

そっちかよ!と悪態をつきながら

振り向き弾をポケットから出そうともがいていたらあっという間に消えていきました…

一瞬目が合った後に軌道を変えて逃げていくのがスローモーションで見えました。

悔しい。

枝分かれした角を持つ立派な雄ジカでした

シカがいた地点

黒丸付近を左から右に下っていました。

距離は15メートルほど

そしてそのまま本日の猟は終了。

初めて参加した猟は大満足でした

いろいろ肌で感じることができたし

なにより事故なく初狩猟を終えられたことにほっとしました

逃がした獲物はまた次があります。

一旦解散した後は猟隊の先輩がやっている居酒屋で反省会をするらしい。

家に帰り風呂に入って着替えを済ませ

近所なので歩きで向かいます

歩きで向かう写真

飲み会はしっぽり行われました。

先輩たちとは歳が離れまくっているのでなんか新鮮でした。笑

食べ物の写真

サラリーマン時代に培った立ち回りがすごく役に立ちましたね。

気を遣わんでいいと言われましたが

全力出しましたよ。ええ

そしてみんな帰るのが早い 笑

見習え世の中のサラリーマン。

残って話をしていると一人の先輩が自動銃をくれるとのこと。

曰く、いまの銃は巻き狩りに向いていないと。

先輩の言うことには素直に従いましょう。

銃の譲渡はやっかいな手続き踏まなきゃならないんですがね。

そんな感じで初狩猟は無事に終わりましたとさ。

おしまい。

 

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